日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年1月31日自分の成長につながる話し方とは?



★「勿体ない!」と感じる話とは?


私は日本話し方センターの2日間集中コースの受講生の全員とお話をします。また、受講生が教室の実習で行っているスピーチも聞いています。そうしたスピーチを聞いていて「ちょっと勿体ないなぁ」と思うことがあります。それは、自分の気持ちをきちんと言葉にしていないことです。このことについて、話し方セミナーの参加者Hさんとのやり取りを例にお話したいと思います。





★受講生Hさんのスピーチ


Hさんは話をまとめるのが苦手で、上司などから「それで、何が言いたいの?」と言われることが悩みで2日間集中セミナーに参加されました。1日目に話のまとめ方の講義を受け、実際に失敗談というテーマでスピーチを作成し、声に出して練習しました。この時点で話をまとめるコツを少しつかんだようでした。そしてセミナーの2日目に嬉しかった体験談という実習テーマに取り組みました。


Hさんはこの実習で、奥様やお子様からHさんの誕生日にお祝いのメッセージをもらったという話しました。
当初、Hさんの話は次の様なものでした。


家族からそれぞれ次のメッセージカードをもらった。
奥様からは「お誕生日おめでとう、また家族で旅行に行こうね」
お嬢様からは「おめでとう、家族の前で私のヴァイオリンを聞いてもらいたいな」
ご子息からは「おめでとう、新幹線に乗って温泉に行きたいな」
とても嬉しかった。




★自分の気持ちを言葉にする


私はこのスピーチを聞いて、ちょっと踏み込んだ質問をしました。
「すてきなご家族ですね。ところでHさんは、何を嬉しいと感じたのでしょうか?」
ご家族のメッセージの内容やHさんが話をする様子を見ていると、私にはHさんが単にカードをもらったことだけを喜んでいるのではないように感じたのです。
「えっ! 何が嬉しかったか、ですか・・・そうですね・・・何が嬉しかったんだろう・・・」
Hさんはしばらく考えていましたが、やがて明るい表情で、
「私はこれからも家族と仲良く色々なことができるんだな、ということがとても幸せに思えたんです。それが嬉しかったんですね」
と言いました。
「自分の気持ちを言葉にしてそれを口に出して確認すると、今まで気付かなかったことに気付くことができるんですね」
ととても嬉しそうに話してくれました。




★気持ちを言葉にすると新たな気付きが得られる


私はHさんの様子を見て、改めて自分の気持ちや考えを言葉にすることは大切だな、と思いました。私たちは日頃様々なことに出くわし、それについて何かを感じているはずですが、大半のことは余り深く追求せず流してしまっています。しかし、その出来事について少し考えて言葉にしてみると、深い気付きが得られることも少なくないのです。


これは上司への報告やお客様との話にも言えることです。例えば、事実だけを報告している話は物足りないと感じてしまいます。
①「P商事に請求書を届けてきました。期日までにお支払いいただるそうです」
②「P商事に請求書を届けてきました。期日までにお支払いいただけるそうですが、皆さん忙しそうで人の出入りも以前より多かったです。かなり受注が増えているようなので、ウチも営業すれば仕入れを増やしてもらえるかも知れません」


①は単に請求書を渡したという報告をしたに過ぎません。一方、②は報告だけでなく自分の意見などのプラスアルファの情報を添えています。どちらが価値のある話し方かは一目瞭然です。こうした気持ちや考えを言葉にできるよう訓練を継続すれば、物事に対する観察力や思考力も高まります。それらを仕事に活かすことで人からより信頼され、活躍できるようになることでしょう。




★各コースの受講の成果をご覧ください!


今回ご紹介したように、ベーシックコースや2日間集中セミナーは、講義と実習を通じて、多くの受講生に様々な気付きを得ていただいています。その成果は実際に受講した多くの人々が実感されています。ぜひ「受講者の声」をご覧ください!

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